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Tuesday, September 7, 2021

<わたしの転機>おいしい安心召し上がれ こだわり卵の料理店 72歳で開業切り盛り - 東京新聞

こだわり卵を使った料理店を切り盛りする加藤君子さん=三重県桑名市で

こだわり卵を使った料理店を切り盛りする加藤君子さん=三重県桑名市で

 お気に入りの卵を使ったケーキや卵かけご飯を提供し、地域の人に親しまれている飲食店「ひまわり」(三重県桑名市)。切り盛りする加藤君子さん(76)は主婦業や料理教室の経験を生かし、70歳を過ぎて店を始めた。「食は人を良くすると書き、とても大事。自分が知っていることを皆さんに伝えたい」と話す。 (河郷丈史)

 店を始めたのは四年前、七十二歳の時です。食事のメニューは卵かけご飯とみそ汁、漬物、総菜二品がつく定食と、シフォンケーキ。みそは自分で作り、漬物も、総菜も、全て手作りしています。

 使う卵は、兵庫県から取り寄せている「日本一こだわり卵」。餌や水だけでなく、若鶏だけから採取することにもこだわっていて、ビタミンEの含有量は一般の卵の三十倍です。二十五年ほど前に出合って以来、わが家ではずっと食べてきました。おいしくて、安心して食べられるものをお客さんに出したいんです。

 卵かけご飯は、器を温めておき、卵白を泡立ててから卵黄を入れ、手作りのだししょうゆをかけて食べてもらいます。ケーキは三重県産の小麦粉や米油を使い、バターやベーキングパウダーは入れません。ふわふわして、口に入れると溶けていく。どこにも負けないケーキだと思います。

 私は愛知県西春町(現・北名古屋市)の出身で、二十一歳で結婚して三重県長島町(現・桑名市)に来ました。息子は三人いますが、ちゃんとしたものを食べさせたいと思い、本を読んだり、教室に通ったりして料理を研究しました。五十代の時に自宅で料理教室を開講。デイサービスの皆さんに助けてもらいながら、同居する夫の両親の介護も八年間やってきました。

 両親が亡くなった後も、しばらくは教室を続けていましたが、これだけで終わるのはもったいないという思いがありました。そんなとき、友達から「店をやろう」と誘われたのが始まりです。友達は体調を崩して辞め、私が一人残った。最初はお手伝いのつもりだったのが、メインでやることになったんです。

 息子たちから「今から何をするの」と心配されましたが、私は性格上、家でじっとしていられない。人と関わることは勉強にもなります。次にやってみたいのは、空いた時間に地域の皆さんの家に行き、食材の下ごしらえなど、料理の段取りの大切さを伝えることですね。段取りがきちんとできれば、料理を楽しめるようになり、食生活がきっと豊かになります。

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