緊急事態宣言にともない外食の需要が減少し、一部の農作物では供給が過剰になり、廃棄せざるを得ない状況になっている。
そんな中、ちょっとしたアイデアで消費を促し、農家を支援する取り組みが始まった。
コトコト煮ること「丸1日」。
体があたたまるスープの完成。
神奈川・横浜のホテル「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」で、洋食総料理長を務める磯貝徹さんが考えたこのメニュー。
廃棄寸前だった野菜をスープにした。
横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ 洋食総料理長・磯貝徹さん「(材料は?)三浦でとれた青首大根です。ニュースで大量に廃棄されていることを知り、何とか商品化できないかと思いスープを作りました」
神奈川県の三浦半島。
夏のスイカと並び、温暖な気候を生かして生産される青首大根は、三浦半島の冬の特産物。
ところが、11月から3月が収穫のピークだが、2020年から、二度にわたる新型コロナにともなう緊急事態宣言を受け、飲食店が営業自粛や時間短縮。
飲食店向けの出荷が減ってしまった。
三浦市で農業を営む三留直登さん「飲食店等の引き合いが全くない状況。コロナの影響も大きいのかなと思う」
それに連動して、大根の価格も低迷。
利益が出ないため、多くの大根が行き場を失った。
三浦市で農業を営む三留さん「大量の廃棄が出るようになった。非常に厳しい状況」
こうした苦境に手を差し伸べたのが、横浜市にある「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」。
これまで地元企業と協力して、ホテルから出る食品廃棄物を使って肥料を製造。
その肥料で野菜を育て、利用する食品リサイクルの事業を進める中、総支配人らホテルのスタッフが現地を訪れ、三浦半島の大根の現状を視察。
廃棄寸前の青首大根を商品化する取り組みが始まった。
廃棄寸前の大根で作るスープ。
まず、大根を小さくカット。
それを鍋に入れて、玉ねぎと大根をバターで炒め、チキンブイヨンを加える。
ここで、磯貝さんには「ある工夫」が...。
横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ 洋食総料理長・磯貝さん「大根をそのまま(ミキサーで)回してスープにしてしまうと水っぽくてざらざらするので、お米でつなぎとして滑らかさを出しました」
さらにしょうがを加え、煮込んだものをミキサーにかけ裏ごし。
これをもう一度煮て、牛乳で味を調整してできあがり。
その名も「大根ポタージュ de 元気」。
横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ 洋食総料理長・磯貝さん「大根の優しい甘みが残るクリーミーなスープになっております」
完成したスープは真空パックに包装。
ホテルの店舗やオンラインショップで販売されている。
ホテルは今後も農家と協力し、三浦半島の野菜を使った商品の開発を進めていくという。
(FNNプライムオンライン2月27日掲載。元記事はこちら)
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