静岡放送(SBS)
今週、お伝えしているSDGsプロジェクト「地球を笑顔にするウィーク」。4月30日は、SDGs17の目標のうち、12番の「つくる責任、つかう責任」にまつわる話です。 食べられるはずなのに捨てられてしまう魚「未利用魚」をおいしい料理に仕立てる職人が県内にいます。 海のギャング、ウツボ。水揚げ量が不安定だったり、傷があることで値段がつかず捨てられてしまう魚のひとつです。これを「未利用魚」といいます。そんな魚をおいしく、美しい料理にするスゴ技職人がいます。米田憲さん。この道15年の料理人です。 <米田さん>「コラーゲンたっぷりで、火を入れてもよし、生でもよし、何でも使える魚ですね」 米田さんが編み出したのが、ウツボのモッチリとした食感を最大限に生かした料理。こちらは「うつぼ重」。世界初だそうです。さらにこの店でしか食べられないものが並びます。 <お客さん>「実際食べてみるとすごくおいしい」「普通に食べられるのがびっくり」 <米田さん>「素直にうれしいですね」 店を閉めたあと、米田さんは自らウツボの調達に出かけます。米田さんにとっては大切なウツボ。しかし、このおいしい魚を多くの料理人は、使おうとしませんでした。 <米田さん>「もったいない。昔からある食材が整っているのでみんな新しいものに手を出さない」 ウツボが敬遠されてきたワケ。それは、捌く難しさにあります。 <米田さん>「白い骨が(身の中に)入っているんですよね」 数百本ある骨の多くは身の中にあるため、場所や向きを理解していないと捌くことはできません。このウツボを使おうと決めたのは、1年前。きっかけは、釣り仲間が店に持ってきたことでした。 <米田さん>「捌いて食べてもらったときに、これはうまいと。魚で見たことがないくらいきれいな白身をしていた」 この魚を使わなければ後悔する。直感が働きました。それから研究を重ね、骨の構造を頭に叩き込みました。 <米田さん>「(こだわっている部分は?)骨は絶対に一本残さずとる。鋭い骨なので、安全に子どもでも食べられるように」 より多くの人にウツボのおいしさを知ってほしい。そんな思いはお客さんに届いていました。 <お客さん>「食べられないからとリリースしたり、捨てたりする人もいる。そうした考えを改めて資源を大事にできれば」「命を拾いながら世の中に広げていくというのはすごくいいことだと思う」 同じく未利用魚のサメやエイもおいしい料理に。その志はとどまるところを知りません。 <米田さん>「世界中の人に食べてもらって、捨てる食材ほどおいしいと伝えたい」 未利用魚のおいしさは世界共通。すべての魚が味わえる未来は、すぐそこにあるのかもしれません。
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