広島ニュースTSS
日本の食文化でもあるおせち料理。広島の女子高校生が「広島ならでは」のおせち料理を作って、全国販売するプロジェクトに挑戦しました。 広島市南区にある進徳女子高等学校。15年前誕生した国際食育デザイン科。世界の料理を学び、正しい食の在り方を考える国際感覚を持った調理師を育成することを目的としています。そんな彼女たちに去年、おせち料理を全国で販売するプロジェクトが持ち込まれました。 【進徳女子高校国際食育デザイン科・福田明子主幹教諭】 「何かを想像して作るという事はすごく楽しくて、それによって調理技術もアップしたり、その時に色々考えて学習の応用ができるかなとそのように考えました。ですので、いい機会かなと・・・」 とはいえ、彼女たちにとっては「おせち」作りはほぼ、初めての経験です。 【国際食育デザイン科2年・大下野乃花さん】 「作ったことがあまりなかったのでどうしたら人に伝えることができるかとか広島らしさとはどういうものかを一番初めに悩みました」 【国際食育デザイン科2年・葉沢愛美さん】 「広島の食材を使うだけではなくてどのような人をターゲットにしたらより良いおせちができるかなど考えるのが難しかった」 彼女たちが考えたおせちのアイディア。「広島らしい」料理であることはもちろん、販売価格とそれに見合った原価。商品のデザインや販売方法など、課題は山ほどあります。 料理のアイディアをレシピにするのは学校で週2回、日本料理を指導する柴原憲輔さん。広島の名店の料理長を歴任した料理界の大先輩です。4月の終わり、調理を委託した業者から試作したおせちが届きました。自分たちのアイディアが形になりました。 一の重は、エビの姿煮、焼き湯葉の含め煮など21品。二の重はローストビーフや鮭の西京焼きなど20品。県外の広島出身者にも、同じように故郷を感じて欲しい。イメージ通りのものができたのでしょうか? 「広島を感じるにはもう少し広島をアピールしたらいいかなと思う」 Q:例えばどんなもの? 「飾りとか・・・」 「にんじんをもみじに変えてみるとか・・・」 どうもまだ「広島感」が足りないようです。課題も多く出てきますが、新しいアイディアもどんどん湧いてきます。 「ブリすごかったよね。味が染みておいしかった。柚子を上にトッピングしたら飾りも兼ねてだけど柚子と一緒に食べたら香りとかもいい。おいしそう」 「ちょっと粗目の岩塩を小袋にして入れておいて「おかけして食べてください」と言ったら・・・自分の好みで。良さそう」 気付いた事や思いついたアイディアはすぐに紙に書き止めます。「広島のおせち」を作りたい。思いがあふれてきます。 【国際食育デザイン科3年・水上渚さん】 「広島菜を使ったり小イワシを使ってみたりしたら、もう少し広島らしさが出るのではないかと思った」 【国際食育デザイン科3年・垰井菜津美さん】 「広島と言ったらもみじとかカープとかなので赤があったらいいと思う」 【国際食育デザイン科3年・長谷川瑠奈さん】 「紅白なますが柚子風味な所をレモンを入れてみたり」 【国際食育デザイン科3年・澤本柚穂さん】 「今回、おせちで使った広島の食材の説明みたいなものを入れてもいいと思った」 「広島のおせち」を全国に販売する。商品を開発するためにはやらなければならないことがたくさんあります。きょうは広告用の写真撮影。買ってもらうためにはPRも必要です。時間がないので休憩時間にみんなが集まります。学校生活はみんな、それぞれ忙しい。遅れてくるのも仕方ありません。撮影するのは学校の先生。撮る方も撮られる方もこんな経験は初めてです。こんな感じでどうでしょうか? 6月。おせち作りは佳境に入ります。彼女たちのアイディアを取り入れた新たな料理が届きました。肉料理には広島県産のもみじ豚を使った角煮を加えました。広島産の小イワシの煮物はレモンをきかせて仕上げています。煮しめは広島産の酒麹を使いました。料理はほぼ決まりました。しかし、まだ大切なことが残っています。それは「おせち」の名前。 商品に関心を持ってもらうためにはネーミングは大切なポイントです。将来、多くが料理のプロを目指す彼女たちにとって商品をプロデュースする経験は何よりの学びの場になります。次々と意見が飛び出します。 「皆さん広島弁をしゃべってください」「ぶち」「じゃけん」「しんさいや」 広島の方言を取り入れる。コロナ禍で苦しむ人たちにエールを送る。そんなネーミングにしたい。彼女たちの心の底にあったものが言葉で形になっていきます。 7月。彼女たちがプロデュースした「おせち」の完成品が届きました。みんなの思いが詰まった広島にこだわった「おせち料理」どんなものになったのでしょうか?お重はふたつ。一の重には紅白なますや栗きんとんの華やかな色どりがある中で、瀬戸内海産のタコを使った「タコの桜煮」がふるさと広島を感じさせます。二の重には彼女たちが特にこだわった料理が入りました。広島県産のもみじ豚を使った「豚の角煮」「瀬戸内海産小イワシのレモン煮」煮しめは広島県産の「酒かす煮しめ」メバルの南蛮漬けはレモンを加えてさわやかな味わいを出しました。県外で頑張る広島出身の人たちにもふるさとを感じてほしい。これが彼女たちが広島から届けるエールです。 【国際食育デザイン科2年・穐本優香さん】 「今回のは食べやすかったし広島菜もシャキシャキしてとてもおいしかったです」 【国際食育デザイン科3年・長谷川瑠奈さん】 「小いわしのレモン煮がおいしかったので食べてほしいです」 【国際食育デザイン科3年・垰井菜津美さん】 「色どりとか味のしみ具合などが結構変わっていておいしかった」 【国際食育デザイン科3年・澤本柚穂さん】 「開けてみて結構華やかで広島らしさがより出ていたと思いました」 【国際食育デザイン科2年・葉沢愛美さん】 「こういう経験は初めてなので(売れ行きが)楽しみです」 Q:たくさんの人に食べてもらいたい? 「はい」 女子高校生が作った「おせち料理」ふるさとを感じてほしい。みんなを元気にしたい。彼女たちのエールが広島から全国に届けられます。
からの記事と詳細 ( 女子高校生が作った”広島らしい”「おせち料理」 広島・進徳女子高校(テレビ新広島) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3E1LWgQ
No comments:
Post a Comment