キャベツと言えば、凍えるような寒い季節にロールキャベツやスープにして食べるイメージがあるが、それは当然。キャベツは低温で育ち、価格がとても手頃で、栽培が簡単なため、お金がかからない食事という評判が生まれたのだ。
だが、キャベツはコスト効率が良く、万能で、美味しいだけの野菜ではない。だから、11月のファーマーズマーケットで見つけたらぜひトライしたい旬な野菜だ。
キャベツは1年中栽培されているが、旬は秋だとザ・シェフズ・ガーデン(The Chef’s Garden)のファーマー、リー・ジョーンズは説明する。低温で糖分と水分が増し、より甘くシャキッとした歯触りになると彼。オクトーバーフェスト(ビール祭り)の頃や、秋の収穫期のイベントで伝統的な料理に使われ始めると、ワシントンD.C.のセントラル・ファーム・マーケットの共同総業者デブラ・モーザーも同意する。
「私は、スーパーよりファーマーズマーケットでキャベツを買うのが好きですね。みずみずしいからです」とミッド・アトランティック地域で生産者オンリーのファーマーズマーケットを運営するNPO、フレッシュファーム(FRESHFARM)のコミュニケーションディレクター、ジュリエット・グラスは言う。スーパーマーケットの店頭に並ぶキャベツは何週間も前に収穫され、店頭に並ぶまで何マイルも"旅"してくるため、その途中で多くの水分を失ってしまうのだ。
キャベツはビタミンC含有量が豊富なことで有名で、免疫系をサポートし、体が非ヘム鉄(動物性ではなく植物由来の鉄分)を吸収するのを助け、体が鉄分を適切に利用できるようにする作用があると、NYの栄養士シャーナ・ミネイ・スペンスは言う。アメリカ農務省によると、千切りキャベツ1カップには、女性の1日あたりの推奨摂取量の34%にあたる26mgのビタミンCが含まれているという。
キャベツは体にいい?
キャベツはブロッコリやカリフラワー、ケールなどと同じグループに属するので、栄養価もそれらの野菜と非常に似ているとスペンスは言う。ビタミンKと視力を助けるビタミンAが豊富だ。
また、肺の酸素を全身に運ぶタンパク質であるヘモグロビンの一部、鉄分と、細胞の呼吸を助けるリボフラビンも供給すると彼女は加える。さらに超コスト効率が良く、低カロリーで繊維質もたっぷりだ。
「私はキャベツが大好き。繊維質が豊富なので、料理をかさ増しするのにとてもいい。満腹感と満足感が得られます」とグラス。
市場にはいろいろな種類のキャベツが出回っている。だが、どんな種類を選んでも、典型的な「キャベツの風味」があり、種類によって若干違いはあるものの微かな甘味が感じられるとモーザーは言う。
キャベツはどのくらい保存できる?
キャベツは冷蔵庫の中で2〜3週間は持つが、より栄養価を得るにはできるだけ早く食べるべきだとモーザーは言う。保存するには、キャベツを丸ごとペーパータオルに包んで、プラスチックバッグか再利用可能な袋に入れるか、タオルに包んで水分が逃げないようにする。
キャベツを料理する時は、外側の葉を剥がしてもいい(とっておいて、出汁やスープ、ピクルス用に使える)とモーザーは言う。葉を1枚ずつ使う場合は(中に詰め物をして)それぞれの葉を洗ったほうがいい。
もしくは、4分の1にカットして冷たい流水を流す。芯は少し硬いので、生のまま食べる場合は芯を取り除いたほうがいいが、調理すれば柔らかくなるので、そのままにしておいてもいいとグラスは言う。
さまざまなキャベツの種類
一般的なグリーンキャベツ
スーパーマーケットで、典型的な丸い球状のグリーンキャベツを見るはず。葉が大きいので、ロールキャベツなど葉を全部使う料理に向く。サボイキャベツほど苦味はないが、コーンヘッドキャベツほどの甘味もないとジョーンズ。
選ぶ際には、外側の葉がきれいでしっかりしているかをチェック。「葉はきれいで腐っていないことが大事」とグラスは言う。
新鮮なレッドやグリーンのキャベツは、持った時に「キュキュッ」と軋むような音がするとジョーンズは加える。「キャベツを2球取って一緒に持ち上げると、軋むような音がします」と彼。
そして、外側の葉をよく見て、キャベツが損傷していないことを確認する。中には、外側の葉を剥がしたりカットして形を整えたりして野菜は古いことを隠す業者もいるとジョーンズは警告する。
「中を保護する外側の葉の見た目がよければ、いいキャベツに見えますからね」と彼。
最後に、キャベツがどの程度新鮮かは、茎から切り落とされた底面(土台)の部分でわかるとジョーンズは加える。底面が茶色くなっていたら、だいぶ前に収穫され、酸化が始まり、しなびかけている証拠だという。
グリーンキャベツは、特に平鍋に少量の塩とオリーブオイルだけ加えてスロークックすると、おいしく柔らかくキャラメリゼされたサイドディッシュになると、モーザーはアドバイス。ウェッジ状にカットし、少量のオリーブオイルでグリルしても同様の効果が出るとグラスは加えている。
赤キャベツ(紫キャベツ)
標準的なグリーンキャベツと同様の風味を持つ赤キャベツ(あるいは紫キャベツ)は、料理に色を添えるのに最適。おいしい甘味があり、グリーンキャベツより少し歯応えがあると、グラスは言う。このタイプのキャベツは炒めるとブルーに変わることもある(食べてもまったく問題ない)ので、変色することだけ覚えておこう。
赤キャベツをバター、赤ワイン、ガーリックで蒸し煮して、タンパク質のサイドディッシュにするようグラスはアドバイスする。
コーンヘッドキャベツ
コニカルキャベツやアローヘッドキャベツ、オックスハートキャベツなどとも呼ばれるが、ファーマーズマーケットであまり見かけず、食料品店ではもっと見つけるのが難しいタイプだとグラスは言う。標準的なグリーンキャベツより甘味があって小ぶりで、特徴的な円錐形をしている。
生のまま刻んでコールスローすると、おいしさを最大限に生かせる。「見かけたら、ぜひ試して」と彼女。すりおろした人参と緑の葉物野菜(ケールなど)を合わせ、米酢、ハーブ、塩、胡椒、オイルを加えれば週日の夜のコールスローにいいとグラス。あるいは、ココナッツライムのコールスローをグリルしたチキンに添えて。
サボイキャベツ
シワがよった葉が特徴のサボイキャベツは、生だと少し苦いがミネストローネやイタリアンベジタブルスープに入れるとおいしいと、グラス。
「私が一番好きなのがサボイキャベツ。ほとんどダイナソーケールのような深い色になります」とジョーンズも同意。
スープにキャベツを加えるのは、料理をかさましする安上がりで栄養価にも優れた方法だ。それに、冷凍しておいて真冬に暖かいスープが欲しい時に再加熱するのも簡単にできる。キャベツを刻んで料理の最後に加えればいいだけだ。
サボイキャベツのように葉の巻きがゆるいタイプの場合は、葉に活力があり、黒い点や柔らかい部分がないことをチェックしよう。現在の食品システムに対する一般のアウェアネスを高め、サステナブルな代替案を提唱するためにGRACE Communications Foundation が行っているプロジェクトFoodPrintによると、外側の葉が少ししおれているのは、剥がしてしまう可能性が高いので問題ない。
ナパキャベツ(ハクサイ)
薄い色のキャベツで、スーパーやファーマーズマーケット、アジア系マーケットで手に入るとグラスは言う。まろやかな味で、ロメインレタスのような見た目と作用なので、サラダや、キャベツ炒めの最後に加えて量ましするのにパーフェクトだ。
秋キャベツをひと通り試し終えたら、容器を用意して、ピクルスのようにキャベツを発酵させてみては? とモーザーは言う。発酵する過程でキャベツは柔らかくなるので、余った外側の葉や芯を使い切るのにいい方法だ。特に水分量の多いキャベツの場合は塩漬けしてザワークラウトにするのが、水分を生かす優れた使い方なのだそうだ。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Mitsuko Kanno From Prevention
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