ESSENCOREが展開するKLEVV(クレブ)ブランドの「R1 Portable SSD」は、USB 3.1接続の外付けポータブルSSDである。容量は500GBと1TBの2モデルがあり、容量1TBを入手したので簡単にレポートしたい。
外付けSSDというくくりではUSBメモリ型のSSDが近年はやっているのだが、USBメモリ型の多くは、有り体に言ってしまえばUSBメモリのリムーバブルメディアの属性を廃したものであるのに対し、本製品は変換基板を介し、PC内蔵向けのM.2 SSDをUSBに変換させるというオーソドックスなタイプとなっている。
本体のデザインは、表が2方向ストライプ溝が掘られた黒ベースの素材で、底面が同社が“半透明スケルトン”とする半透明な素材。半透明素材を介してコネクタ付近の白色LEDと内部の緑色LEDも見え、なかなか独創的である。ちなみに白色LEDも緑色LEDもアクセスランプなのだが、発光パターンはやや異なるのが面白い。また、側面には小さな布製タグもついており、なかなかファッショナブルだ。
デザインのみならず放熱にもこだわっており、銅製の放熱板を内蔵することで放熱性を高めている。また、上部と下部のパーツの接合部にはわずかな隙間もあり、ここからも放熱をしている。実際ベンチマーク中は本体はそこそこ熱を持つものの、一貫したスコアで性能的が安定している印象だった。
SSDはSLCキャッシングアルゴリズムを採用しており、リード/ライトの性能向上を図っている。また、インターフェイスはUSB 3.1で10Gbps転送に対応しているため、SATA SSDよりも高速なのが特徴である。
付属品はUSBケーブルと、スマートフォンでQRコードを読めば説明書をダウンロードできるシート1枚のみとあっさりしている。
このUSBケーブル、なぜかデバイスに接続する根元からUSB Type-CとUSB Type-Aに分岐するタイプとなっている。一応ゴムバンドで2本まとめられているし、珍しいフラットタイプなので柔らかく巻きやすくなっているが、使わないコネクタをPCの近くでブラブラさせておいたままにするしかないのは気になる。
もっとも、長さ的には48cmもあるため、そもそもノートPCでの使用ではなく、デスクトップPCでの使用を想定しているのだろう。他社のSSDの場合30cm程度のケーブルしか付属しておらず、タワー型のデスクトップPCにつなげた場合は適当にぶら下げておくしかないのだが、本製品なら机または床、PC本体の上に置くところまで回せるだけの余裕はある。
今回、CPUにCore i9-12900K、チップセットにIntel Z690、OSにWindows 11 Proを搭載した環境で、Thunderbolt 3ポート(USB 3.1対応)ベンチマークを実施してみたが、SSDの最高速度が出やすい「ATTO Disk Benchmark」ではリードで1,002.76MB/s、ライトで935.16MB/sを叩き出した(いずれも最高値)。また、先述の通りテストのスコアが安定しているというのも印象的だった。
【表】ベンチマーク環境 | |
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CPU | Core i9-12900K |
メモリ | DDR4-4800 16GB×2(G.Skill F5-5200J2834F16GX2-RS5W) |
マザーボード | ASUS ProArt Z690-CREATOR WIFI |
システムSSD | Samsung 980 Pro(1TB) |
ビデオカード | GeForce RTX 3090(iGame RTX 3090 Vulcan OC) |
USBポート | Thunderbolt 3ポートに接続 |
OS | Windows 11 Pro |
本体のデザインよし、放熱性もよし、安定性や性能もよし。あとはUSBケーブルさえもう少し考慮してもらえれば……といったところだが、デスクトップPCやNUCのような拡張性が限られた小型デスクトップとの相性は悪くないとは思う。価格もほかの大手と比較して十分競争力がある。PCを開けるのが手間、もしくはM.2スロットの空きがもうないといったユーザーがSSDを増設したいと考えているのなら、選択肢に入れてもらいたい。
からの記事と詳細 ( 半透明筐体が魅惑のポータブルSSD「KLEVV R1」を試してみた - PC Watch )
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科学&テクノロジー
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