数々のアウトドアシーンで焚き火を使って料理を提供してきた「アウトドア料理の達人」が、楽しくて美味しい焚き火料理の作り方を、そのコツとともに伝授。『焚き火料理の本』より、一部抜粋して紹介します。今回は、焚き火料理で大切な「火加減」について。
焚き火料理に最適な火加減とは、「熾火」の状態。
熾火とは、薪が燃え切って炭のようになった状態を指す。こうなれば、火力が安定して調理をしやすい。炎や煙が上がるうちは火力が強すぎる証しだ。
当ページの写真のサイクルが基本的な焚き火の流れとなる。ひとつ料理を作るたびに薪を足して熾火を作り、上の状態に戻してから次を作り始めるとよい。
慣れるまでは火を自在に操るのは難しい。しかし、火をいじることも焚き火料理ならではの楽しみなので、繰り返し練習してマスターしてほしい。
1.中火の熾火が基本
この状態が火加減の基本。本書のレシピの7、8割は、この火加減で調理している。さっとグリルしたり、煮込みにもちょうどいい。焦げたり、沸かなかったりするなら、この火力を基準に強くしたり弱くしたり、と調整する。
2.焦げやすいものは弱火で
さらに燃え進み、火が落ち着いた弱火の状態。火が強いと熱が入らないうちに焦げてしまう魚や厚みのある肉を、じっくりと焼くのに向く。時間をかけ過ぎるとパサついてしまうので、水分が少ない食材には向かない。
3.薪を追加するタイミング
右の写真より少し火が落ちてきたら、料理は一旦お休みして薪を足すタイミング。火種がなくなると火力を戻すのに時間がかかるので、火を絶やさぬよう。まず燃えやすい細い薪を足して、太い薪をその脇にくべると良い。
4.この状態での料理はNG
太い薪に燃え移ったら、いじらずにしばし待つ。炎が上がっているうちは不安定なので調理には向かない。熾火の量を増やしたい場合は、ここでさらに薪を足す。待っている間に次の料理の準備を進めておくとスマートだ。
5.米を炊くなら強火から始める
炎がメラメラと出ている薪と、ちょうどいい熾火とのハイブリッド。火加減でいうと強火の状態。米を炊く時や汁物を一気に温めたい時は、このくらいの火加減から始める。直火で食材を焼くには、まだ火力が強過ぎる。
→ 「1.中火の熾火が基本」の状態へ
※本記事は『焚き火料理の本』を一部掲載したものです。
『焚き火料理の本』
アウトドア料理の達人が教えます! 56の絶品焚き火料理の作り方。
『焚き火料理の本』
著: 小雀 陣二
発売日:2021年3月18日
価格:1650円(税込)
【著者略歴】
小雀陣二(こすずめ・じゅんじ)
アウトドアでの経験と料理のスキルを活かし、手軽な野外料理を紹介しているアウトドアコーディネーター。アウトドアツアーの運営や道具の企画開発を手掛け、各メディアでアウトドア関連の撮影に長年携わる。神奈川県三浦半島の突端、三崎港のカフェ「雀家」のオーナーとしての顔ももつ。『山料理』『焚火料理の本』(山と溪谷社)など、著書多数。
からの記事と詳細 ( 焚き火料理の理想の火加減をマスターしよう! アウトドア料理の達人が伝授する焚き火料理のコツと作り方 - 株式会社 山と溪谷社 )
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