千葉市若葉区の米卸業者と千葉県八街市のラーメン店が考案し、18日から提供するラーメン風の雑炊「ラー
「ラーメン屋なのに麺がないのはありえない」
約80秒の動画で描かれた物語は、「元祖肉玉そば越智」店主の越智雄一さん(40)が、取引先である「米坊主」の小山哲平さん(38)から出されたラー飯開発の提案を突っぱねる場面から大きく動き出す。それでも諦めない小山さん。最後は2人で協力して納得のいく商品を作り上げる――。
ラー飯は、麺の代わりに入れた米がスープと絡み合い、汁も残さずに平らげられるメニューになれば、と考案された一品だ。米の消費拡大を目指す小山さんが持ちかけた。
実際は、動画ほど順調だったわけではない。鶏、豚、牛を半日以上煮込んだ甘みのあるスープで専門誌から高い評価を受けるなど、越智さんにはラーメン作りへの強いこだわりがあった。米をメインにしたメニューは、それを否定することのように感じた。
その気持ちを変えたのは、小山さんの熱意だった。取引がある約60のラーメン店の中で、ラー飯を一緒に作るなら越智さんの店と決めていた。粘り強く交渉し、「米との相性を考えれば、越智さんのスープしかない」と説き伏せた。越智さんも残り汁の廃棄が減れば食品ロスの削減につながると考え、提案に応じた。
試作は10回以上に及び、粘り気の少ない県産米を使うことで口当たりの良さを出すことに成功した。最終的には焼き肉入りの「肉玉ラー飯」(税込み980円)と、煮干しベースの冷たいスープで味わう「冷やし煮干しラー飯」(同880円)という新メニューが完成した。
動画投稿の背景には、消費者の「米離れ」に危機感を抱く米坊主が、以前からSNSでの発信に力を入れていたことがある。9月中旬に動画を公開すると、「こんな商品を待っていた」といった好意的なコメントが次々に寄せられた。再生数は100万回を超え、過去の動画とは桁違いの注目度となった。
2人は、店での提供が始まる18日こそが本番だとの思いを強くする。「ラー飯が広く普及するきっかけになれば」と、小山さんは反響を喜びつつ、「農家が丹精込めて作った米を最後までおいしく食べてほしい」と話す。越智さんも「スープまで飲み干してもらった空の器を見るのが何よりうれしい。お客さんに早く食べてもらいたい」と、ラー飯を出す日を心待ちにしている。
からの記事と詳細 ( 米とスープが絡む「ラー飯」、米卸業者とラーメン店が考案…「こんな商品を待っていた」の声も - 読売新聞オンライン )
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