Ryzen 9 6900HXを搭載し、USB4にも対応!
Ryzen 9 6900HXと言えば、少し前にご紹介した同じプロセッサ搭載のBeelink「GTR6 6900HX」と何が違うのか? と気になる人も多いのではないだろうか。
MINISFORUM「UM690」とBeelink「GTR6 6900HX」を比較すると、プロセッサやメモリ(の規格)は同じで、筐体のデザインを除くと、ざっくり違いはHDMI×2(4K@60Hz)+Type-C(8K@60Hz)かHDMI×4(8K@60Hz)か。2.5型SATAドライブ1基追加可能かM.2 2280 SSDを1基追加可能か。そしてディスプレイ出力にも関係するがUSB4の有無となる(細かいところだとUM690はUSB 2.0が1つもない)。
つまり、映像出力、セカンドドライブの仕様とUSB4。この3つの優先順位は使い方にもよるだろう。筆者のケースだと、同時4モニターは必要なく、USB4でいつものキーボード付きモバイルモニタへケーブル1本で接続可能なのでメンテも楽。好み的には本機となる(セカンドドライブは多分増設しないのでどちらでもいい)。主な仕様は以下の通り。
MINISFORUM「UM690」の仕様 | |
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プロセッサ | Ryzen 9 6900HX(Zen 3+/8コア16スレッド/クロック3.3~4.9Hz/キャッシュ L2 4MB, L3 16MB/TDP 45W) |
メモリ | 16GB(8GB/DDR5 SO-DIMM×2)/最大64GB |
ストレージ | M.2 2280 512GB PCIe SSD/2.5型SATAドライブスロット×1(空) |
OS | Windows 11 Pro(21H2) |
グラフィックス | Radeon 680M(12コア/RDNA 2)/HDMI×2(4K@60Hz)、Type-C(8K@60Hz) |
ネットワーク | 2.5GbE、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
インターフェイス | USB 3.1×4、USB 3.1 Type-C×1、USB4×1、音声入出力 |
サイズ | 127×128×47mm |
価格 | 9万320円(ベアボーン6万7,040円) |
プロセッサはZen 3+アーキテクチャのRyzen 9 6900HX。8コア16スレッドでクロックは3.3~4.9Hz。キャッシュL2 4MB/L3 16MB、TDP45W。モバイル用Ryzen 6000Hシリーズとしては最上位のSKUで、そのパフォーマンスは少し前に掲載したGTR6 6900HXの通り。Geekbench 5のCPUはM1 Pro(8C)といい勝負をする。
メモリは8GB/DDR5-4800 SO-DIMM×2の16GB。カスタマイズで0GB/16GB/32GB/64GBの選択ができる(ストレージ容量と連動)。ストレージはM.2 2280の512GB。0GB/512GB/1TBに対応。またトップカバーの裏に2.5型SATA SSD/HDDを1つ追加可能だ。OSは、Windows 11 Pro。21H2だったのでこの範囲内でWindows Updateを適応し評価した。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Radeon 680M。12コア/RDNA 2。出力はHDMI×2(4K@60Hz)、USB Type-C(8K@60Hz)。HDMIとDisplayPortで計3つ同時出力が可能だ。
ネットワークは、2.5GbE、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2(仕様に明記されていないがGTR6と同じチップなので多分5.2)。そのほかのインターフェイスは、USB 3.1×4、USB 3.1 Type-C×1、USB4×1、音声入出力。先に書いたように、USB 2.0が1つもない。
サイズ127×128×47mm。フットプリントはほぼ正方形で少し厚みがあると言ったところ。重量は実測で615g。
12月25日販売予定で現在予約受付中だ。メモリ/ストレージ/OSなしのベアボーンが6万7,040円、今回届いた16GB/512GB/Windows 11 Proで9万320円。32GB/512GBが9万9,040円、32GB/1TBが10万6,040円、そして64GB/1TBで12万6,040円。ベンチマークテストからも分かるように、結構なパフォーマンスを叩き出すこのミニPCがこの価格は、結構お買い得ではないだろうか。
筐体はオールブラック。プラスチックなので高級感はない。デザインはBeelink同様、MINISFORUMにも特徴があり、本機もそれっぽい感じに仕上がっている。重量は実測で615g。ACアダプタと合わせても1kgちょっとなので、行く先々にモニタやHIDがあれば持ち歩くことも可能だ。
前面は、電源ボタン、3.5mmジャック、USB4、USB 3.1 Type-C。背面は、電源入力、Ethernet、USB 3.1×2、HDMI×2、USB 3.1×2を配置。ボトムには四隅に丸と三角のゴム足。この下にネジがある。中央上下にVESAマウンタ用ネジ穴。
付属品は、ACアダプタ(サイズ約140×60×35mm/重量459g/出力19V/6.3A)、HDMIケーブル、予備のゴム足、SATAアダプタ、VESAマウンタ。そして扉にあるスタンド。
このスタンドは黒い部分が金属製。白い部分はゴムっぽく傷防止になっている。できれば黒が良かったような気がしないでもない。またサイズが微妙でうまく合わせないと、前や後ろに本体がズレ落ちたりする。なお、扉の写真/縦置きの向き(上下)は同社の製品写真に合わせている。この場合、電源入力が上にくるため、ケーブルが邪魔になるのが少し気になった。
内部は、ゴム足とネジを外すと簡単にアクセスできる。トップカバーの裏に2.5型SATAドライブを装着可能。専用のSATAケーブルも付属する。コネクタの位置は、M.2スロットの上、白いコネクタとなる。またM.2 SSDにヒートシンクが付いており良心的だ。
発熱やノイズはあるにはあるが、GTR6 6900HXよりは少ない。高さがあるので、その分、熱がこもらず有利になっている感じがする。また通常時もベンチマークテストなど負荷がかかる時も発熱やファンの音はあまり変わらない。
全体的にうまくまとまっており、ミニPCを数多く作っているMINISFORUMならではと言ったところ。
システムのチューンがBeelink「GTR6 6900HX」より少し高め
初期起動時、プリインストールなどのアプリはなし。素のWindows 11 Proと必要なドライバ/アプリ類が入っているだけとなる。もちろん構成が構成なので非常にスムーズに作動。
ストレージはM.2 2280 512GB SSDのKingston「OM8SEP4512Q-A0」。仕様によると速度は不明だが、TLCでM.2 PCIe Gen 4 x4となっている。C:ドライブのみの1パーティションで約474GBが割当てられ空441GB
。
2.5GbEはIntel Ethernet Controller I225-V、Wi-FiとBluetoothはRZ608が使われている。Radeon SoftwareによるとVRAMは512MB。iGPUなのでDDR5の方がDDR4より有利となる。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、Cinebench R23、CrystalDiskMark、Geekbench 5を使用した。また少し前にご紹介した同じプロセッサ搭載のBeelink「GTR6 6900HX」のスコアを併記する。
PCMark 8/10、3DMarkに関しては比較すると凸凹がありどっちもどっち(本機の方が高め)。ただし純粋なCPUパワーのCinebench R23は本機の方が高い。Geekbench 5はSingleは誤差の範囲、MultiはGTR6 6900HXの電源/パフォーマンスより速い。試しに電源バランスとパフォーマンスで切替え測定したところ、GTR6 6900HXではそれなりに差が出たのに本機はほぼ同じ。おそらくプロセッサのチューンは本機の方が高めにあるかと思われる。
ただしストレージに限ってはGTR6 6900HXより結構遅い。PCMark 8/10、3DMarkの凸凹はこの辺りにあるかも知れない。
以上のようにMINISFORUM「UM690」は、Ryzen 9 6900HXを搭載したミニPCだ。予算や用途に応じてベアボーンから64GB/1TBまで選べるのもポイントが高い。
GTR6 6900HXなど競合と比較して仕様上の凸凹な部分はあるにはあるが、個人的にはUSB4対応が嬉しい部分だろうか。現在予約受付中で定価より安価に購入できるため、欲しい人は是非このタイミングでゲットしてほしい1台だ。
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