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Tuesday, December 8, 2020

ミシュランガイド東京に新指標「グリーンスター」環境への配慮を評価された名店を訪問 - Nippon.com

「グリーンスター」マークを導入

東京の飲食店と宿泊施設を星の数で格付けする『ミシュランガイド東京2021』が7日公表された。


オンラインでの発表となった2020年。
最高ランクの三つ星の飲食店は12軒、二つ星が42軒、一つ星が158軒となった。


6,000円以下で楽しめる『ビブグルマン』では234軒が掲載されている。


2021年版から新たな評価として導入されたのが、グリーンスターというマーク。


日本ミシュランタイヤ ポール・ペリニオ社長:
読者にレストラン選びの新たな視点を提案しています。


「サステイナブル」=持続可能な食を提供する飲食店の取り組みを評価したもので、フードロスの削減や、環境に配慮した生産者への支援、絶滅危惧種の保護などを積極的に行っているレストランが東京版では6軒選ばれた。


そのうちの1つが、東京・表参道にあるフレンチレストラン『ラチュレ(LATURE)』。
グリーンスターの評価を受けた。


「美味しい」の先に何があるのか・・・

ラチュレ・室田拓人オーナーシェフ:
まだ実感はわかないが、僕たちが活動してきたことが評価されたということは、すごくうれしい。


コロナの影響で余った鹿肉やイノシシ、穴熊などを使ったパテをパイ生地で包んだ料理など、ジビエ料理に力を入れていて、オーナーシェフの室田さんは狩猟免許を持ち、自ら山へ狩りに出かけているという。


ラチュレ・室田オーナーシェフ:
シカ・イノシシ・クマなどが増えすぎてしまっているという現状を知って、僕たちが頭数を制限してやれればそういう食材も減ると思うので、せっかくおいしいのに捨ててしまうというのは料理人としても心が痛いし、せめておいしく食べてあげるというのがいいのではないかと思う。


実は、シカなどが木の皮を食べてしまうことにより、森林が荒らされるなどの被害が拡大。
捕らえられた動物はそのほとんどが捨てられてしまっていることから、せめて無駄にせず料理として提供したいと話す。


また、野菜は千葉で取れたものなどを使用し、「フードマイル」=食材を運ぶときに排出される二酸化炭素にも配慮しているという。


ラチュレ・室田オーナーシェフ:
地産地消ではないが、地元の野菜を使うとか、フランスのシェフは自分の生まれ育った故郷のものを使うのは当たり前。
なるべく自分で見に行ける範囲のもの、関東のものを多く取り入れていきたい。
最終的には輸送時間がかからなかったり、排気ガスの排出も減らすことができるのでは。


こうした食や環境の関係について子どもたちに知ってもらおうと、小学校で食育の授業も行っている。


ラチュレ・室田オーナーシェフ:
東京には美味しいレストランがたくさんあります。
美味しいだけじゃなく、その先に何があるのか、未来のことを考えて料理するとか、美味しいプラスアルファの何があるかを、レストランや飲食店は考えていかないといけない。

飲食店選びの第3の指標に

三田友梨佳キャスター:
コミュニティデザイナーでstudio-L代表の山崎亮さんに聞きます。
ミシュランが始めたこの取り組みはどうご覧になりますか?

コミュニティデザイナー・山崎亮氏:
今回ミシュランが味や値段のほかに、サステイナブルという環境に関する指標を取り入れたことは大変意義のあることだと思います。

僕自身10年ほど前にカリフォルニアのバークレーに行ったとき、エコなレストランガイドという本を見付けたことがあります。

地元の出版社の方が独自の指標で地元のレストンを評価していて、市民と一緒に環境に配慮した店を応援していこうという取り組みでした。
さすが環境配慮都市のバークレーだなと思った覚えがあります。


三田友梨佳キャスター:
日本でも、そうした動きは広がっていくと思いますか?

山崎亮氏:
お客さん側、お店側の両方にこの意義は広がっていくと思うので、ミシュランだけでなくて、地元のレストンガイドとか自治体が発行するような冊子にもこの視点をどんどん取り入れるといいと思います。

消費社会というのは、例えば「美味しさと安さ」、あるいは「格好良さと安さ」という風にいわゆるコストパフォーマンスで評価してしまいがちです。この2点だけで評価していると弊害も出てきます。

例えば、料理でいうと、美味しくて安いけど、ちょっと体に良くないモノが入っている。
あるいは、海外の遠くから材料を運んできていて化石燃料を使っていたりする。

こういったものは、今回のグリーンスター制度のようなものになると、味と値段に加えて、環境という第三の指標で店を評価できるわけで、この意義は大きいと思います。

三田キャスター:
味や値段以外の部分でお店を見ていくことも大切な視点なのかもしれませんね。

山崎亮さん:
VTRで「食育」という言葉も出ましたが、こういう情報が増えていくと、「味」「食」の面から街作りに関わる方も増えていくと思います。

食育は、料理、農林水産業、エネルギー、福祉や教育といった様々な分野に影響を与える取り組みなので、今回のグリーンスター制度を通じて地域の食育という文化がもっと広がっていくことも期待しています。

三田キャスター:
飲食店がどんな思いでどんなことに取り組んでいるのかを知ることで、利用する私たちも改めて意識するきっかけにもなります。
取り組みの積み重ねが自分のため、さらに未来の世代のために繋がっていくと考えると食における環境配慮の意義を強く感じます。

(「Live News α」12月7日放送分)

(FNNプライムオンライン12月8日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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