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Wednesday, March 24, 2021

九州の酒、中国市場に挑む 好相性の料理、飲み方アレンジ提案 - 西日本新聞

 【北京・坂本信博】「獺祭(だっさい)」(山口県)など一部の銘柄の日本酒に人気が集中する中国で、認知度が低い九州の地酒や焼酎を売り込む新たな取り組みが始まっている。中華料理との組み合わせや、中国人の好みに合わせた飲み方も提案する。中国では中華料理に合う外来酒としてワインが定着しており、関係者は「知名度を上げて中国での市場拡大につなげたい」と意気込む。

 プロ野球福岡ソフトバンクホークスの祝勝会で使われる「勝鷹(かちたか)」にはスズキの紹興酒蒸し、福岡県糸島市産の純米酒「田中(たなか)六五(ろくじゅうご)」には北京ダック…。上海の高級レストラン「リビエラ松鶴楼」の円卓に13日、福岡県産酒6銘柄と、それぞれと相性がいい6種類の中華料理が並んだ。

 上海には3791軒(1月現在)の日本料理店がある。福岡県上海事務所の山下一輝所長は、その40倍以上の約16万軒に上る中華料理店に着目。県産酒と中華料理の「ペアリングパーティー」を開き、現地の高級中華料理店の経営者や総料理長ら約30人を招いた。

 参加者からは「組み合わせによっては中華料理の味を引き立たせる日本酒があることを発見できた」との声が上がり、山下所長は「日本酒の認知度をワインのレベルまで定着させることができれば、販売量を大幅に増やせる」と意欲を語る。

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 北京では2月下旬から3月28日まで、中国に自治体事務所を持つ九州・沖縄7県が協働して「九州焼酎プロモーション」を展開している。

 鹿児島で修行した中国人の焼酎利き酒師、李鵬さん(37)が在籍する市内の日本料理店「一元MOTO」では、毎週先着200人に各県の焼酎・泡盛計8銘柄を無料で振る舞い、週替わりで14種類の郷土料理も提供。中国人客で連日にぎわい、評判は上々だ。

 中国では焼酎は同じ蒸留酒の白酒や韓国のソジュと同一視されがちで、オーナーの美宝さんは「中国人は水割り、お湯割りになじみがない。日本の飲み方を勧めるだけでは普及は難しい」と指摘。李さんは長崎県壱岐市の麦焼酎「モンキーロック」にサトウキビシロップやソーダ水、レモンをまぜたカクテルを考案するなど中国人の味覚に合う割り方を研究した。

 「焼酎は日本酒以上にいろいろなアレンジできる。飲み方の提案を工夫すれば、普及の可能性は十分ある」と李さん。鹿児島県上海事務所の豊川善規所長は「中国人の嗜好(しこう)に合わせたアプローチで市場拡大につなげたい」と話している。

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