Pages

Thursday, April 29, 2021

甘さ控えめ、スパイス感強めの北海道発スープカレー「イエローカンパニー」(東京・恵比寿) - 朝日新聞デジタル

恵比寿の「イエローカンパニー」のオーナーシェフの大竹雅人さんは、スープカレーの本場北海道出身。元々アジアン創作料理店をやっていたが、その中の人気メニューのスープカレーを引っ提げて、東京・恵比寿に専門店を開いた。それから17年経つが、今や常に満席状態だ。

スープカレーは、シャバシャバのルーにコクやうまみを出すために糖分を加えることがあり、甘みを感じることも多いが、こちらは、砂糖不使用なため、甘さ控えめで、スパイス感が高め。筆者の“どストライク”だ。北海道スープカレー特有の大きな肉や野菜がごろんごろんと入っていて、シチュー感覚でカレーだけでもどんどん行けるが、お店の推奨通りに、ルーを飲んではライスをひと口。それを繰り返しながら、最後はルーの中へライスを投入して完食した。

大きめにカットした新鮮な野菜は、それぞれの旨(うま)みを出すために調理法を変えている

大きめにカットした新鮮な野菜は、それぞれの旨(うま)みを出すために調理法を変えている

オーダーは、まずベースのルーをトマトかエビから選択。具材はベジタブルか、ベジタブルとチキン、豚の角煮、牛スジの組み合わせからチョイスする。あとは辛さ選び。レベル1(微辛)から5(激辛)までは無料。あとは追加料金でハバネロ入り、ピッキヌー入りなど、どんどん辛さを増すこともできる。今回は、トマトスープの「ベジタブル&チキン(税込み1250円)」の4(大辛)、エビスープの「ベーコン&キャベツ(税込み1100円)」の3(中辛)を注文した。

迫力のある厚切りベーコン。具材はどれも食べ応え十分

迫力のある厚切りベーコン。具材はどれも食べ応え十分

トマトスープはほんのり酸味があり、食欲をそそる。辛いもの好きなら一つ上の激辛でも十分対応可能だろう。エビのスープは想像を超えるエビの存在感。ただ臭みやくどさは全くなく、コクとうまみが癖になりそうだ。

大竹さんいわく、カレーのおいしさのポイントは辛さで、辛さによってうまさの感じ方もかなり違う。辛いものが苦手でない限り、その店で追加料金なしで食べられる最高の辛さを試してみるのがおすすめ。そこから差し引きするほうが自分の好みが見つけやすいと教えてくれた。なるほど。

レモンを絞ってターメリックライスにかけると適度な酸味で味が引き締まる

レモンを絞ってターメリックライスにかけると適度な酸味で味が引き締まる

辛さひとつについてもそうだが、大竹さんのカレーへのこだわりは半端ない。テーブルに置かれた、細かな字でぎっしり書かれた説明書を読めば一目瞭然だが、話を聞いてさらに確信した。スープカレーのベースとなるブイヨンスープは、大山地鶏のガラ、鶏ひき肉、牛スジ肉に、ニンジン、タマネギなどの香味野菜を加えて、丸一日じっくりと煮込んで作る。それとは別に1回量の20kgが6kgになるまでじっくりと炒めたタマネギとトマト、独自に調合したスパイスを合わせてトマトスープを作る。オーダーごとに、ブイヨン、トマトスープと具材を、重ね合わせることで、立体的で独特のスパイス感のあるカレーになるそうだ。そしてもうひとつ特筆すべきがターメリックライスに、添えられたレモン。途中でライスに振りかけると驚くほど風味が変化して、なんとも味わい深い。これがあるのとないのでは雲泥の差だ。当初はもう少し大きなサイズだったそうだが、使わない人も多く、今の大きさにしたとのこと。筆者としては、忘れずに使用することを強くおすすめしたい。

恵比寿駅と渋谷駅のほぼ中間。店内は天井が高く、開放感がある

恵比寿駅と渋谷駅のほぼ中間。店内は天井が高く、開放感がある

    ◇

イエローカンパニー
東京都渋谷区東3-14-19 オークヒルズ1F
03-5485-2723
http://www.yellowcompany.jp/

PROFILE

熊野由佳

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。自分の納得した店だけを紹介すべく、「実食主義」を貫く。酒好きが高じて「唎酒師(ききさけし)」を取得したが、おいしいワインの探索にも余念がない。

Let's block ads! (Why?)


からの記事と詳細 ( 甘さ控えめ、スパイス感強めの北海道発スープカレー「イエローカンパニー」(東京・恵比寿) - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/3nC4TzU

No comments:

Post a Comment