恵比寿の「イエローカンパニー」のオーナーシェフの大竹雅人さんは、スープカレーの本場北海道出身。元々アジアン創作料理店をやっていたが、その中の人気メニューのスープカレーを引っ提げて、東京・恵比寿に専門店を開いた。それから17年経つが、今や常に満席状態だ。
スープカレーは、シャバシャバのルーにコクやうまみを出すために糖分を加えることがあり、甘みを感じることも多いが、こちらは、砂糖不使用なため、甘さ控えめで、スパイス感が高め。筆者の“どストライク”だ。北海道スープカレー特有の大きな肉や野菜がごろんごろんと入っていて、シチュー感覚でカレーだけでもどんどん行けるが、お店の推奨通りに、ルーを飲んではライスをひと口。それを繰り返しながら、最後はルーの中へライスを投入して完食した。
オーダーは、まずベースのルーをトマトかエビから選択。具材はベジタブルか、ベジタブルとチキン、豚の角煮、牛スジの組み合わせからチョイスする。あとは辛さ選び。レベル1(微辛)から5(激辛)までは無料。あとは追加料金でハバネロ入り、ピッキヌー入りなど、どんどん辛さを増すこともできる。今回は、トマトスープの「ベジタブル&チキン(税込み1250円)」の4(大辛)、エビスープの「ベーコン&キャベツ(税込み1100円)」の3(中辛)を注文した。
トマトスープはほんのり酸味があり、食欲をそそる。辛いもの好きなら一つ上の激辛でも十分対応可能だろう。エビのスープは想像を超えるエビの存在感。ただ臭みやくどさは全くなく、コクとうまみが癖になりそうだ。
大竹さんいわく、カレーのおいしさのポイントは辛さで、辛さによってうまさの感じ方もかなり違う。辛いものが苦手でない限り、その店で追加料金なしで食べられる最高の辛さを試してみるのがおすすめ。そこから差し引きするほうが自分の好みが見つけやすいと教えてくれた。なるほど。
辛さひとつについてもそうだが、大竹さんのカレーへのこだわりは半端ない。テーブルに置かれた、細かな字でぎっしり書かれた説明書を読めば一目瞭然だが、話を聞いてさらに確信した。スープカレーのベースとなるブイヨンスープは、大山地鶏のガラ、鶏ひき肉、牛スジ肉に、ニンジン、タマネギなどの香味野菜を加えて、丸一日じっくりと煮込んで作る。それとは別に1回量の20kgが6kgになるまでじっくりと炒めたタマネギとトマト、独自に調合したスパイスを合わせてトマトスープを作る。オーダーごとに、ブイヨン、トマトスープと具材を、重ね合わせることで、立体的で独特のスパイス感のあるカレーになるそうだ。そしてもうひとつ特筆すべきがターメリックライスに、添えられたレモン。途中でライスに振りかけると驚くほど風味が変化して、なんとも味わい深い。これがあるのとないのでは雲泥の差だ。当初はもう少し大きなサイズだったそうだが、使わない人も多く、今の大きさにしたとのこと。筆者としては、忘れずに使用することを強くおすすめしたい。
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イエローカンパニー
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