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Sunday, July 18, 2021

日本人が知らない、“夏の必需品”サングラスの新常識とは - ニフティニュース

 目に入ることで、さまざまな影響を及ぼす恐れがある紫外線。さらに強い日差しによる眩しさも同時に防止するには、サングラスが有効だ。ここでは、サングラス選びの基本について、オグラ眼鏡店渋谷本店のフレームアドバイザーである田中千恵さんに話を訊いた。

■まずは掛けるシーンや目的を明確に

??日頃眩しさを感じていながらも、サングラスを掛けることには気後れしてしまう人も少なくないかと思います。最初の1本を選ぶなら、どんなことに気を付けたら良いでしょうか。

田中 サングラスというとレンズが真っ黒で、フレームも大きい、フチが太いといったイメージを持っている方も多いかと思います。たしかに、そうしたデザインは日常的に掛けるには少々威圧感が出てしまいがちです。ですが、現在はデザインの幅も広く、掛け心地や見た目ともに掛けやすいものも多く出ています。

 数あるなかから自分に合うものを選ぶためには、まず自分がサングラスを使う目的やシーンを整理することが大切です。

??“自分はなぜ、どんなときにサングラスを必要としているのか”を明確にしておくと、お店でも相談がしやすいということですね。

田中 はい。日々の外出に使うのか、海や山で使うのか、スポーツで使うのかなど、シチュエーションによって必要な大きさや形状、レンズのカラー濃度などが変わってきます。

 日常的に使用するのであれば、フレームはメガネの延長線上で使えるようなデザインやサイズが掛けやすいでしょう。レンズは、目が透ける程度に色づいたカラーをおすすめしています。淡い色のものでも日常生活程度の眩しさであれば和らげることができますし、普段の着こなしにも馴染んでくれます。色が濃いレンズの方が紫外線をカットできると思われる方もいらっしゃいますが、紫外線カット機能のあるレンズならば、レンズのカラー濃度に関わらず紫外線対策が可能です。

??薄いカラーだと威圧感がなく、屋内に入ったときも掛けていられるので、掛け外しの面倒がないですね。普段からつねに眩しさを感じている方にも良さそうです。

田中 ただし、海や山でのアウトドアレジャーなど、長時間屋外にいるときには眩しさや紫外線からしっかり目を守ることを優先したいところです。カラー濃度の濃いレンズ、なおかつフレームは顔との隙間から紫外線が入り込まないよう、顔に沿ったカーブのついたもののほうが快適に使えるでしょう。

■品質表示タグを必ずチェックすべし

田中 加えて、サングラスを選ぶ際に必ず確認したいのが、レンズの紫外線カット率です。紫外線は目に見えない波長の光なので、カット率はレンズカラーの濃度に比例するものではありません。そのため見た目ではわからないのですが、サングラスに付けられた品質表示タグに「紫外線透過率」が書かれています。紫外線透過率が1.0%以下とあれば、99%以上紫外線をカットしていることになります。「UV400」と表示されている場合もありますね。

??タグには、「可視光線透過率」も書かれています。

田中 可視光線は目に見える光のことで、こちらの数値が低いほど一般的にはレンズの色が濃く、眩しさをカットすることができます。ちなみに濃度によっては夜間運転には不適合ですので、車の運転をされる方は注意をしてください。

??紫外線カット率が重要とのことですが、最近では100円ショップを含め安価なサングラスにも「UV400」の表示があったりします。

田中 紫外線カット性能という点では問題がなかったとしても、レンズ基材の質や、屈折力や平行度といったレンズ設計の面に違いがあるのではないかと思います。これらは見え方の質にも関わってくるものです。また、フレームも細やかな調整に対応できない場合が多く、掛け心地にも影響を及ぼします。お顔にフィットさせられなければ、快適には掛けられないですし、隙間から紫外線が入り込んでしまうでしょう。

??なるほど、選びの基準は紫外線カット率だけではないわけですね。

■サングラスビギナーにも使いやすいカラーは?

??サングラスは、フレームデザインだけでなくレンズのカラーも見た目の印象に関わってきますよね。また、視界がレンズカラーに染まるため、見え方の好みなどもあるかと思います。それらを踏まえ、初心者におすすめのカラーなどはありますか。

田中 無彩色であるグレーは、クセがなく普段のコーディネートにも取り入れやすいカラーです。視界についても色調が変わることなく眩しさを抑えられるので、初めての方でも使いやすいでしょう。ブラウンもベーシックな印象で、こちらは視界のコントラストを高めてくれる効果があります。

 カラーによって見え方に特徴があるので、試着の際は鏡で見た目をチェックするだけでなく、外の景色を見てみるなど視界のチェックもしてください。眼鏡店であれば、レンズカラーを変更することもできます。

??フレームは気に入ったけど、レンズカラーがちょっと……、といった場合には好きなカラーに替えられるということですね。

田中 はい。サンプルのレンズから好きな色をお選びいただけます。メガネフレームにカラーレンズを入れることもできますし、紫外線によりレンズのカラー濃度が変化する調光レンズや、眩しさの原因となる自然光の乱反射をカットする偏光レンズなどの機能レンズにすることもできます。同じカラー濃度でも偏光レンズはフロントガラスの反射光や水面のギラつきを抑え、クリアな視界が得られます。

■マスク着用時にも怪しく見えないデザインは?

??現在はマスクが必須となり、サングラスを合わせると不審者のような見た目になりかねません。マスクに合わせるなら、どのようなサングラスがよいでしょうか。

田中 マスクにより口元が隠れている状態で目元まで隠れてしまうと、やはり威圧感が出てしまいますよね。そのため、目元が透けるものを選んだほうが良いでしょう。カラー濃度が50%ぐらいであれば目元が完全に隠れず、眩しさもある程度しっかり抑えられます。もちろんそれより薄ければ、さらに軽やかな印象です。

??フレームのデザインについては、どうですか。

田中 クリアカラーのフレームなら、目元を軽やかに見せてくれます。透け感のあるプラスチック生地を使ったものですね。肌の色を透かすので、マスクと併用しても重たい印象になりません。現在トレンドのデザインなのでお洒落に見えますし、バリエーションも豊富です。

??これなら、レンズが少し濃いめでも軽やかに見せることができそうですね。

■子どものサングラスを選ぶときに気を付けたいこと

??大人が日傘やサングラスで紫外線対策をしているのに対し、子どもは無防備でいいのだろうかと心配になることがあります。とくにこれから夏休みに入り、外出や外遊びの機会も増える時期です。

田中 そうですね。世界保健機構(WHO)の発表によると、「人は18歳になる前に一生のうちに浴びる紫外線量の約50%を浴びている」と言われています。長時間屋外にいるときは何かしら対策をされたほうがいいですね。つばの広い帽子に加え、メガネやサングラスも選択肢のひとつです。お子さんに選ぶ場合は、安全性を第一に考えていただければと思います。

??具体的にはどんな点をチェックしたら良いのでしょうか。

田中 たとえば、フレームの素材が丈夫かつ、しなやかであるかどうかという点。活発に動いて転んでしまったり、乱暴に取り扱ってしまったときでも壊れにくく、顔に傷がつきにくい素材や作りであることが重要です。同じくレンズも耐衝撃性の高いものだとより安心でしょう。

??たしかに、サングラスはメガネ以上にアクティブなシーンで使うことが多いので、安全性は重要ですね。

田中 もうひとつがフィッティングのしやすさです。ずり落ちやすく鼻メガネになってしまうと、目的である眩しさや紫外線カットの役割を十分に果たせません。お顔に沿ったカーブのフレームをきちんとした位置で掛けることで、上部や横からの光の侵入をカットすることができます。加えて、レンズはあまり暗過ぎないもので、視界を確保してあげるようにしてください。

■まずは気軽にトライを

田中 普段眩しさをそこまで感じていなくても、「掛けてみたら目がとてもラクになった」とおっしゃる方も少なくありません。サングラスというと夏のイメージがありますが、太陽高度の低い秋冬や夕方もじつは眩しさを感じやすく、紫外線が直接目に入りやすいと言われています。

 またカラーレンズには、視界をよりクリアにしたり、表情を明るく見せたりする効果もあり、うまく活用すればより暮らしを楽しく快適にしてくれるものでもあります。まずは実際に店舗で試して、その効果を体感してみてください。

◆ ◆ ◆

■将来起こり得る眼病予防のためにも

 サングラスというと、ハイブランドのゴージャスなものや個性的なデザインのものなどファッション的な面が注目されがちだ。しかし、眩しさや紫外線から目を守ったり、視界のコントラストを高めたりなど、機能的な道具としての側面も大きい。

 将来起こり得る眼病予防のためにも、ぜひ自分にとって掛けやすい1本を見つけ、日々の生活に取り入れてみてはいかがだろう。

写真=今井知祐/文藝春秋

【取材協力】
オグラ眼鏡店 渋谷本店
住所:東京都渋谷区 渋谷1-24-2 朱ビル1、2階
電話:03-3499-2156
営業時間:10:00〜18:30
定休日:無し
https://ift.tt/3z1LzjL

「目が慢性的に紫外線を浴びていると…」眼科医がサングラス着用を勧めるワケ へ続く

(伊藤 美玲)

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