2021.11.30 | GOURMET | 加藤 恭子
GOURMET取材・文=加藤恭子 撮影=山下亮一
ガッチリとした筋肉質の屈強な身体、しわがれた太いボイス。ガハハ、とダイナミックに笑う鳥羽周作さんは、代々木上原のフレンチレストラン「sio」の名物オーナーシェフだ。
2018年に「sio」をオープンするやたちまち人気店となり、「ミシュランガイド東京」で2020、2021年と連続1つ星を獲得した。さらに2019年には丸の内のカジュアルレストラン『o/sio(オシオ)』をオープン、続けて渋谷の『パーラー大箸』、大阪のネオ居酒屋『ザ・ニューワールド』、奈良のすき焼きレストラン『㐂つね(きつね)』を展開。2021年4月にはシズる株式会社を設立し、10月には架空のホテルをコンセプトにした北青山のレストラン『Hotel′s(ホテルズ)』をオープンした。
あまりにもバラバラな業態の飲食店を、次々とオープン。しかも驚くべきことに、いずれの店も連日予約殺到の人気店となっている。
いったいなぜ、鳥羽シェフの店はこれほど多くのファンに支持されるのだろうか。その料理の原点をご本人に教えてもらった。
バイト先のレシピを勝手にアレンジ
「料理の原点は、家庭環境だと思います。うちはごく庶民的な家庭でしたが、父も料理人で食に関しては両親ともこだわっていたと思います。父がつくってくれたパスタ、懐かしいですね。誕生日などお祝いのときは、決まって焼き肉かすき焼きでした」
学生時代はサッカーに打ち込み、Jリーグの練習生となる。大学卒業後、サッカーを続けながら居酒屋でアルバイトをしていた。当時、店のレシピを自分で勝手に変えて提供したこともあったというから大胆!
「砂糖をちょっと足したり、ケチャップ入れたり・・・。勝手にレシピを変えるのが悪いことだとはまったく思っていませんでした。だって、こっちのほうがうまいもん、と思ってやっちゃっていました(笑) 当時からそういうフシがありましたね」
28歳、未経験で本格的な料理の世界に飛び込む。最初に修業した神楽坂のイタリアンレストランの名店「DIRITTO」が、いまも鳥羽シェフの料理の“芯”になっているという。
「最短距離を選択し、余計なことはしない。とにかく美味しいものをつくるという店でした。“美味しいとは、なんぞや”という哲学と手法をここで学ばせてもらいました。次に入ったフランス料理の有名店Florilegeでは、独特のプレゼンテーションを学び、料理の幅が広がったと思います」
さらにイタリアンの「Aria di Tacubo」で実践を積んだのち、代々木上原のフレンチビストロ「Gris」のシェフに就任。2018年7月、「Gris」のオーナーから店を買い取り、43歳で「sio」をオープンした。
からの記事と詳細 ( ミシュランシェフ・鳥羽周作「美味しい」を追求する料理とは!? - JBpress )
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