火星で過ごした3年半分のちり…。
NASAは、火星着陸探査機「InSight(インサイト)」による最後の自撮り画像を公開しました。ソーラーパネルは厚く積もったちりのせいで、すっかり火星の表土と同じ色合いになっていますね。インサイトの任務は今年中に終わると見込まれており、余力でできるだけ多くの科学データを収集するようです。
NASAは先週の記者会見で、インサイトは2022年末にすべての運用が終わりそうだと発表しました。ミッションが終了するのは探査機のソーラーパネルに大量のちりが積もり、発電量が落ち込んだためです。
インサイトは火星の空の写真を撮ったり、搭載されている地震計を使って火星の地震である“火震”を観測したりと、3年にわたって火星の地表で働き続けました。熱流量計=通称「Mole」を使おうと2年間は掘削を頑張りましたが、ほんのわずかしか掘り進めることができず断念しています。今月初めには、火星での記録史上最大規模となる地震を観測。火星の内部構造のどこかでマグニチュード5の揺れが発生したのです。
インサイトのおかげで科学者たちは火星の内部構造や、地質学的&地震学的なシステムの見識を深められました。これまでのところ1,313回の火震を検出していますが、科学的な運用が停止される前にもっと観測できるかもしれません。
ミッションの幕引きは、確実に近づいていました。探査機は以前、火星の砂嵐のせいで強制的にセーフモードになりました。パネルに積もったちりを除去するために、あえて土をちりの上に落とす応急処置が行なわれたこともありました。しかし、そのような行動は避けられない運命を先延ばしただけでした。
最後のセルフィーは4月24日に撮影されており、ソーラーパネルにどれほどちりが蓄積したか分かります。2018年12月撮影の最初のセルフィー、2019年3月と4月の画像をつなぎ合わせた2回目のセルフィーと比べて、どっさり積もっていますね。
セルフィーは複数の画像をつなぎ合わせており、各画像を撮るにあたってはカメラを搭載したロボットアームの位置を少しずつ変えながら撮影していました。しかし電力の供給量が減っているため撮影にこれ以上費やすわけにはいかず、NASAによるとロボットアームは今月中に静止位置(“引退ポーズ”ともいう)に置かれるとのこと。
インサイトの副プロジェクトマネジャーKathya Zamora Garcia氏は先週の記者会見の中で、探査機の科学的な運用は早くて7月中旬に終了するかもしれないとしながらも、火星の気象は予測不可能だと発言していました。
ミッションの終わりが迫る中で、その姿をカメラに収めてくれたインサイトに感謝です。
Source: NASA, NASA JPL (1, 2),
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科学&テクノロジー
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