どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年6月6日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 牛骨コムタン ビッグ」の実食レビューです。
旨みとコクの牛テールスープ風 “韓国の定番料理” をカップヌードル流にアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードルBIG 牛骨コムタン味
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇る日清食品のブランドで、現在の販売国数は世界100ヶ国、世界累計販売食数も昨年に500億食を超えた日本を代表する発明品。手軽に食べられる簡便性とバリエーションに富んだ味付けはもちろん、シュールなプロモーション戦略も好評で、常に業界の第一線を走り続けています。
今回の新商品「カップヌードル 牛骨(ぎゅうこつ)コムタン ビッグ」は、日本でも知名度の高い韓国の定番スープ「コムタン」をカップヌードル流にアレンジした一杯で、味の特徴は「旨みとコクの牛テールスープ風」と補足。もはやリリースした時点で勝ち確の雰囲気を漂わせているのですが、そもそも “コムタンとはなんぞや” について触れておきましょう。
コムタン(곰탕 – 膏飲湯)とは、牛の様々な部位を炊き込んで作る韓国料理で、じっくり煮出すことを意味する「膏飲(コウム)」とスープの総称である「湯(タン)」が名前の由来。本場の伝統的なコムタンは、ヤンジと呼ばれる胸肉の薄切りに、胃袋をはじめとする内臓(脾臓・小腸・肺など)のほか、脛(すね)、膝(ひざ)、舌などを “白濁させずに” 長時間かけて煮込むのが基本。
そこにテールを入れるとコリコムタン(꼬리곰탕)に、膝軟骨を入れるとトガニタン(도가니탕)になるのですが、今回の「カップヌードル 牛骨コムタン ビッグ」を見て気になるのが “牛骨コムタン” や “白濁” という表現。基本のコムタンよりも牛骨を多く使い、白濁するまで骨の髄から旨味を引き出したスープは、厳密にいうとソルロンタン(설렁탕 – 先農湯)に分類されます。
今でこそ大衆的な韓国料理として知られる「コムタン」ですが、昔は王族や両班(高麗・李氏朝鮮時代の特権的な官僚)といった身分の高い人が食べる清湯(ちんたん)で、比較的に透明度が高く、骨は入れずに作られていました。対して庶民は骨も余すことなく使い、白濁するまで煮込む白湯(ぱいたん)の「ソルロンタン」を食べていた‥‥と、そのような歴史も残っているようですが、はるか昔の話。
さらに遡るとモンゴルの “シュル” にルーツを持つとか、統一新羅時代(668-935)に王室が所有していた先農檀で豊作を祈願する “先農祭” の後に振る舞われたのが起源とか、ハングルの創始者である世宗大王(1397-1450)に献上したのが最初とか、まぁ調べてみると諸説あるんですけど、時代の変遷に伴い、コムタンとソルロンタンの境界線は本場でも曖昧になっている様子。
とりあえず「カップヌードル 牛骨コムタン ビッグ」に話を戻しまして‥‥牛骨コムタンは文字通り骨ごと煮込んだコムタン=ソルロンタンになり、なおかつ牛テール(コリ)風と複数の要素が詰まっているのですが、日本ではソルロンタンよりもコムタンのほうが響きとしてイメージしやすいため、牛骨コムタン(旨みとコクの牛テールスープ風)と表現したのかもしれません。
思い返すと2016年(平成28年)10月3日、牛テールや牛骨などを煮込んだ「カップヌードル リッチ 無臭にんにく卵黄牛テールスープ味」を発売していますが、念のため日清食品のデータベースを漁ってみたところ、それ以前に牛テール・牛骨・コムタンを訴求した「カップヌードル」の記録は残っていません。ちなみにリッチのスープは衝撃的に美味しかったので、おもわず期待が高まります。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、粉末だけの一本勝負ではあるものの、開けてビックリ猛烈な香りw だいぶジャンクな系統ですが、豚や鶏ではなく「牛」が全面に主張してくるファーストインプレッション。カップヌードルを象徴する具材の一つである謎肉(なぞにく)も普段は豚肉をベースにしているところ、牛骨コムタンでは “味付牛ミンチ” ということで、きちんと牛に寄せています。
麺は100%植物油で揚げたフライ麺で、見慣れた形状がカップヌードルらしいアイデンティティと安心感を演出。粉末スープの色が白い分、比較的に黄色みが強く見えますが、いくつかあるテンプレートの一つだと思います。本格的なラーメンとは異なるものの、裏を返せば新進気鋭の専門店では食べられないジャンクさが魅力ですよね。
ちなみに「カップヌードルBIG」のメーカー希望小売価格は220円(税別)を基準としていましたが、2022年6月1日出荷分から245円(税別)に値上げされたので、たとえばコンビニでの販売価格も税込で232.20円から264.60円に上がっています。今回はコンビニ以外の店舗も販売店に含まれますが、いずれにせよ全体的に値上がりしていると思うので、金銭感覚を調整しておいてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 牛骨コムタン ビッグ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:98g(めん80g) 商品コード:4902105272718(JAN) |
発売日:2022年06月06日(月) 実食日:2022年06月07日(火) 発売地域:全国 取得店舗:日清食品グループ オンラインストア 商品購入価格:264円(税込) 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料)、スープ(ビーフ調味料、粉末牛脂、香辛料、クリーミングパウダー、豚脂、糖類、オニオンパウダー、あさり調味料)、かやく(味付牛ミンチ、味付卵、ねぎ、ごま、にんじん、にら)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、炭酸Ca、かんすい、香辛料抽出物、カロチノイド色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、くん液、ビタミンB2、酸味料、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
作り方は通常の「カップヌードル」と共通で、調理後はキンパやビビンバなど、韓国料理を彷彿とさせる彩りが印象的。調理前は強烈に主張していた粉末スープの香りですが、お湯を注ぐと比較的に穏やかになって、一般的にネガティブとされるクセは適度に抑えつつ、それでいて豚骨や鶏白湯とは異なるアプローチ。
なお天面や容器側面に「シメにぴったり! 白飯いれて2度旨い!」との訴求があり、残ったスープに茶碗1杯(150g)の白飯で追い飯を推奨しています。本場でコムタンを注文すると、ご飯が別皿で運ばれたり、最初から入っていたり、いずれにせよコムタン+ご飯を一緒に食べることを推奨している店が大半なので、そういった意味でも雰囲気を上げてくれる提案。
ちなみに世界の料理にスポットを当てた「カップヌードル」といえば、エスニックシリーズの後身「世界のカップヌードル(CUPNOODLES)」が既存し、直近だと2022年4月11日に “韓国グルメ” をアレンジした「甘辛コチュジャンのチーズタッカルビ味」をリリースしていましたが、世界のカップヌードルは女性を中心に人気を博しているため、縦型ビッグは入らない的なレギュレーションがあるようです。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:457kcal たん白質:11.7g 脂 質:20.3g 炭水化物:56.9g 食塩相当量:6.1g (めん・かやく:2.7g) (スープ:3.4g) ビタミンB1:0.60mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:126mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:457kcal(めん・かやく:406kcal)(スープ:51kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
体感的には「シーフードヌードル」っぽいんだけど‥‥
カップヌードルの麺には大きく分けて2種のサイズがあり、ひとつは標準的な2mm幅、もうひとつは太めの3mm幅で、今回の「牛骨コムタン」に使われているのは前者です。しかし、原材料名の “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料” という特殊な構成と完全に一致する商品は他にありません。
もっとも近い原材料名は、カップヌードルの中でも麺の主張を抑えた「シーフードヌードル」の “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料” で、しなやかさだったり、下味の付け方だったり、体感的にも遜色ないと思ったのですが、このブログ内にある原材料名にも完全に一致する商品はない新種。
食品表示法の関係で一時的に変わっている(あるいは「シーフードヌードル」に改定後の表示が適用されていない)可能性も考えられますけど、マニア的に思うところがありました。とはいえ体感的には “いつものカップヌードル” なので、あまり難しく考えなくても大丈夫ですw
スープ
粉末だけでもコクはバッチリ
お湯を入れる前は “大丈夫なのかコレ‥‥” と、身構えてしまうくらい強烈な個性を放っていましたが、実際の味わいは洗練されていて、牛骨や牛テールのコクを備えながらもアッサリと飲みやすいタイプ。ただ、そこそこニンニクのパンチは強いのと、適度なブラックペッパーのアクセントが相俟って、全体がピンボケすることはありません。
豚脂やクリーミングパウダーを併用していますが、もっとも使用量が多いのはビーフ調味料と粉末牛脂で、ほんのりアサリの旨みを忍ばせているのも芸を感じるポイント。コムタンはソルロタンよりも油の主張が強く、透き通っていながらもコッテリしたイメージがあるので、ちょっとクセのあるオイルを別添しても‥‥と、個人的に感じた部分もありますが、ちゃんと牛の旨みが詰まった味わい。
さすがに前述の「カップヌードル リッチ 無臭にんにく卵黄牛テールスープ味」ほどリッチな牛テールスープではないけれど、いい意味で洗練されたテイストで、なおかつ個性的でした(※とはいえ牛骨・テール系のスープが苦手な方は注意してください)。
具材
無駄なし
スクランブルエッグ、ねぎ、ニンジン、ニラは、他の商品にも頻繁に入っているため、新鮮味こそないけれど、ふわっと優しいスクランブルエッグの甘さだったり、コリコリとした人参の歯応えだったり、スープのニンニクと相乗効果を見せるニラだったり、味の面においても彩りにおいても計算された取り合わせ。
牛謎肉は通常の謎肉よりもサッパリとしたテイストで、豚肉ベースほどジャンクな旨みは楽しめないのですが、おかげでスープの印象が豚に引っ張られなかった、というのは大きなメリット。韓国料理に欠かせない白胡麻もスープと相性がよくて、特に不満を覚えることはなかったです。
総評
スープの項目でも触れたように、オイルの別添があっても‥‥と、そこが総評を決める上で引っ掛かったのですが、裏を返せば粉末だけで “この味が出せた” のは見事。牛骨やテールを彷彿とさせる旨みを丁寧に表現しつつ、ガーリックと黒胡椒で生臭さを消し、あさりの滋味を仕込むなど、なかなか見どころが多い一杯でした。次は小袋付きのレギュラーサイズ版とか出ないかな?
でもって最後に麺を食べ終えてから白飯を入れてみたところ、スープを単体で飲むよりも牛の旨味が繊細で、なるほど1日の締めにも食べたくなる優しい味わいなのですが、反して強めのガーリックが共存するヤンチャな側面もあってよき。さらにパンチを付けたい方は粗挽きのブラックペッパーを、あるいはキムチちょい足しアレンジで、さっそく今晩どうですか?【author・taka :a(大石敬之)】
からの記事と詳細 ( 〆に白飯で2度おいしい!? しみわたる旨み凝縮白濁スープ「カップヌードルBIG 牛骨コムタン味」堂々登場!! - 本日の一杯 )
https://ift.tt/T5MXN6v
No comments:
Post a Comment