松永佳伸
岐阜市の母親たちでつくる子育て支援のNPO法人「こどもトリニティネット」(トリネット)が、岐阜県産の野菜を多く使ったスープ用ペースト「GIFUTO SOUP」を開発した。複数の野菜を組み合わせ、忙しくても短時間で栄養価の高い料理ができるように工夫した。
トリネットは2016年、子育て環境の充実をめざして結成された。母親目線を取り入れたカフェのメニューづくりや、災害時に役立つ冊子「ママのための防災BOOK 水害編」などを手がけてきた。
今回350人余りのパパやママにアンケートした結果、回答者の7割以上が食の悩みを抱え、「子どもに嫌いな野菜を食べさせるための工夫と、挫折に疲れている」「栄養が不十分だとわかりつつもレトルト食品に頼ってしまう」といった意見が寄せられた。
理事長の桐部遥奈さん(32)は、みな仕事と家事の両立で忙しいが、「本当は栄養たっぷりで、手の込んだものを食べさせてあげたいと思っているに違いない」と確信した。
そこで、農林水産省が推進する「ローカルフードプロジェクト」の一環として、トリネットが主体となり、生産者や製造会社、物流企業などと連携。地域の野菜をいかした持続的な食品として栄養たっぷりのスープづくりに乗り出した。
高山市の伝統野菜「宿儺(すくな)かぼちゃ」をはじめ、主に県内の農家が育てたものを使用。「トマト×タマネギ」「カボチャ×サツマイモ」「ホウレン草×サツマイモ」の3種類のスープ用ペーストを商品化した。
その際、離乳食を終えた子どもからお年寄りまでが楽しめる味を追求。岐阜市の和食料理店の協力を得て、蒸してすり下ろした後、低温スチーム加工された野菜ペーストに、みそや4種類のだし、グルテンフリーのしょうゆで下味をつけ、調理の手間を省くことにした。スープ以外にもパスタソースやドレッシングなどアレンジもできる。
商品名「GIFUTO SOUP」は、贈り物(ギフト)と岐阜を掛け合わせた。桐部さんは「食と農をつなげるため、地元の野菜のおいしさや魅力を届けるとともに、栄養満点のスープをたくさんの家族で味わってほしい」と話す。
クラウドファンディングでの試験販売を終え、5月以降に道の駅やウェブサイトなどで一般販売する予定だ。(松永佳伸)
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